設立趣旨書

1:趣旨

「物資はあるが居場所がない」そんな言葉が今も残っています。東日本大震災をきっかけに活動を始めた子どもたちへの学習・居場所支援「学びーば」は団体の名称であり、私たちの活動そのものでもあります。

任意団体であった「鶴見大学学生災害ボランティア 学びーば」をNPO法人化することで、今まで以上に被災地域における子どもへの学習支援を基盤とした、地域の復興に関する事業を行うとともに、平時における地域社会のつながりを強め、以て天災に強い社会の構築に寄与することを目的としています。

2:当法人の前提、鶴見大学学生災害ボランティア「学びーば」発足の経緯

「学びーば」は、2011年東日本大震災の発生を受け「自分たちにも何かできることがあれば」という学生の声をきっかけに立ち上がりました。学生を中心とした有志は、発災翌日にはボランティア活動の希望を大学に申し出て、募金活動や電力使用量削減推進活動を始めました。

大学OBの植草が阪神・淡路大震災以降、鶴見大学を通じてSVA(シャンティ国際ボランティア会)と災害救援ボランティア活動に継続的に取り組んでいた経緯から、気仙沼市で支援活動を展開していたSVA現地事務所を視察調査に訪れることが決定し、教員及び学生が随行しました。避難所では全国から物資が届き、物は充分でした。しかし、限られたスペースで生活を続けていた親子双方のストレスや子どもたちの学習の遅れが心配されていました。

これにより現地支援活動プロジェクトとして、子どもへの学習支援が挙がりました。大谷中学校・大谷小学校の学校歯科医の仲介で詳細が詰められ、2011年夏より大谷小学校・中学校において「学びーば」が実現し、「学びを通してふれ合い、子どもたちがイキイキと過ごすことができる場所づくり」を目指す活動となりました。勉強だけを目的とせず、宿題見守りや学生の手作り教材を使った学習支援の他に、イベントの開催を積極的に取り入れました。

3:「鶴見大学学生災害ボランティア 学びーば」の活動実績

2011年東日本大震災を受け、宮城県気仙沼市本吉町の大谷小学校とその周辺において居場所をつくる学習支援「学びーば」を中心とする活動を行いました。周辺地域からの要望にこたえる形で2012年度冬季からは同市鹿折小学校でも活動し、2校での開催となりました。気仙沼市では震災当時1年生だった児童が小学校を卒業するまで通算14回の活動を実施しました。鶴見大学学生、他大学学生、高校生、教職員、社会人、僧職者が参加し、延べ2500人以上が現地で活動しました。

2016年には熊本地震を受け、鶴見大学学生と気仙沼での活動から協力関係にあった横浜創英大学、現地の九州看護福祉大学や熊本大学の学生と共に、熊本県益城町立飯野小学校で活動を展開しました。2016年夏、2017年夏、2018年夏・冬と活動したのち、2019年には現地大学生を主体とした活動へと移行しましたが、新型コロナウィルス感染拡大により終了となりました。

その他の活動として、2013年台風26号の被害を受けた伊豆大島、2015年関東・東北豪雨の被害を受けた茨城県常総市、2018年西日本豪雨の被害を受けた広島・岡山、2023年豪雨被害のあった秋田に災害救援ボランティアを派遣しました。また、定期的にシンポジウムを主催し、被災地の現状や支援活動報告、災害に備えるためにできることを考える機会をつくっています。

2024年からは能登半島地震を受け、珠洲市正院小学校にて「学びーば」を2024年夏・冬に展開しています。更に2025年春には正院小学校に加え、蛸島小学校・大谷小中学校の3校同時開催を実施しました。

4:活動継続とNPO法人「学びーば」の設立と今後の展望

任意団体学びーばは継続して活動する中で他大学の学生や元被災者、社会人にも広く参加してもらえる団体となりました。また一部の参加者は医療支援活動も展開しています。NPO法人化することで大学の枠を超えて、これまで以上に様々な活動希望者の参加が見込まれるとともに、資金面でもより円滑な運営が可能となります。子どもたちへの学習支援事業の更なる発展と、調査研究事業や情報提供事業をより充実させ、多くの方に関わっていただける機会を提供していきます。地域とボランティアを「つなぐ」、子どもたちの居場所を「つくる」、自分たちの活動を「伝える」。私たちにできる小さなことを積み重ねて参ります。

令和7年4月13日  法人の名称  NPO法人 学びーば
設立代表者      植草 康浩